「……キラ、こっちだ!!!!」
「…っ…何処行くの!?」
「いいから早く!!」
「…うん」
どういう事?どうして、僕には何も言ってくれないの…?
第29話 君の言葉を聞かせて、他の人の言葉より君の言葉を
「アスラン。キラは!…キラは…無事か?」
誰・・・?この人。
「キラ・ヤマトは此処にいますよ、ヒダカ」
「え!?」
この人が『ヒダカ』…?
僕の本当のお父さん――――?
「おお…久しぶりだ。あの頃とちっとも変わっていない…キラ」
『キラ』
どくんっっ
誰?その名前で呼ぶのは…。
「本当。ライアとそっくりな……キラだ」
『キラ……』
僕の名前を呼び続けているのは…誰……
「会いたかったぞ、キラ」
『貴方のこと、守ってあげられなくて…御免なさい』
僕を知っているの?貴方は誰…。
「キラ、どうした?気分でも悪いのか?」
「…どうして、僕は…アスランのところにいたの?」
僕のこと、本当はいらなくて…。
だからなの?『お父さん』
「アスラン…話していないのか?」
「…いずれ…の…つもりでしたから」
「!」
アスランは全部…全部知っていたんだ。
僕のこと……全部。
「…どうして…アスランは何も…っ…教えてくれないの!?」
「それがお前の為だから。じゃあ…」
「アスラン!!!!」
僕に言いたくなくて…目をそむけているの?
「………ヒダカ…さん」
「キラ。親にさん付けなんてしな」
「どうして…僕は…僕には誰も何も教えてくれないんですか!」
どうして…
知りたかった。
知りたくなかった…。
二つの言葉が頭の中で回るよ。
でも、そうじゃなくて。
「どうして…っ……なんで……?」
「アスランはお前に嫌われるのを、恐れているんだよ」
「え?…それって…どういうことですか…?」
僕だけ知らないのは、嫌だよ。
「お前は……何も知らないから。その分、幸せに育ってきただろう?」
違う。
「知ったときの悲しみの方が…辛いよ!!!!!」
「ずっと…抱え込んでいるほうが良いと…?」
「…っ…貴方に何が解るんですか!」
「私はずっと…辛かった。お前の事を思うたび…」
貴方の辛さは…どれくらい…。
「っ…アスランは…何処に……?」
「さあ。そこら辺にいるだろう。会いにいってやってくれ」
「………」
会いにいっても良いのかな…
今はまだ『触れらたくない』のかな…。
「…やっと、会えたよ」
本当の君に。
やっと……会えたんだ。
『ありがとう』を伝えたい。
そして、『真実』を知りたいんだ。
ねぇ…どうか教えて。
俯かないで、口を閉じずに、ありのまま。
全てを―――――。
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あとがき
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第29話。次が第30話です。
最近短くて本当に申し訳ないです;;
次は長くするぞー!!!!
次、第30話!です。
(UPしたの…まだ24話;;)
04年4月10日に書きました。